工務店が生き残るためのサバイバル集客戦略

ビジネス

少子化の影響で、縮小傾向にある住宅市場。

そんななか、大手が生き残りをかけて
資本を集中投下をして、大量広告によって
市場の総取りを仕掛けている状況のなかで

中小の工務店が窮地に立たされていますね。

以前は、工務店が得意としていた職人的な仕事にも
大手が参入してきており、残されたパイの奪い合いを展開している状態です。

また、集客するためにチラシやネット広告を打って、
資料請求してもらっても、その後がうまくいかないケースが増えています。

資料請求後、電話をかけると

「必要になったらこちらから電話します」
「もう電話してこないでください」

と言われてしまって、フォロー営業ができずに終わるわけです。

さらに、冷かし客が多いという業界特有の問題も経営を圧迫しています。

お試し感覚の軽いノリのお客に加えて、
資料コレクターやライバルの調査など、冷やかし客がかなりいるので

毎回ゼロから説明しなければならず、
時間や労力、そしてコストが無駄になっているのが現状です。

こういった状況を考えれば、

  • 冷かし客を排除して、本気のお客だけを集める
  • 集めたお客に対して、効果的で効率的なセールスをする

仕組みをつくらなければ、生き残ることはできないでしょう。

そこで、今回は、工務店が生き残るためのサバイバル集客戦略と題して
中小工務店の集客の仕組みづくりについて解説します。

売れる仕組みをつくろう!


まず、やるべきことは、売れる仕組みづくりをすること。

わたしは、以下の5つのステップで構成されている
売れる仕組みをつくることをお勧めします。

  • 見込み客を集客する
  • 見込み客に小冊子をプレゼントする
  • ステップメールで信頼関係を構築する
  • 信頼関係を構築したらイベント・見学会の案内をする
  • 問い合わせに対応、クロージングする

売れる仕組みをつくれば、完全自動でセールスを行うことが可能。

また、トップセールスに頼るという
属人的な営業スタイルから脱却できるので、
誰かが辞めたから売上が落ちるといったリスクを回避できます。

なので、とにかくこの売れる仕組みを完成させることだけに集中しましょう!

納得、共感できる、心に響く小冊子をつくる


まずは、小冊子づくりに取り組んでいきましょう。

小冊子というと

「そんなのとっくにやっているよ!」
「まったく効果がないんだよね!」

と思われるかもしれませんが・・・。

ぶっちゃけ言うと、効果がないのは、小冊子という手法がダメなのではなく、
あなたの作った小冊子がイケてないだけなんですね。

実際、工務店で配布している小冊子を見てみるとどれも同じ内容。
あいさつ文、住宅の工法や仕様、施行事例といった
定型的なパターンのものばかりです。

大手であれば、知名度、ブランドがあるので
綺麗にデザインされた資料やパンフで営業できますが、

知名度もブランドもない工務店が、大手のようなイメージ重視の
綺麗なだけの小冊子をつくっても何の意味もありません。

また、「お客様のために」「オンリーワンの家づくり」といった
在り来たりの陳腐なコピーでは、読み手の心にまったく響きません。

大手と同じようなイメージ戦略をとれば、
当然、知名度、ブランドがあり、広告宣伝しまくっている大手に軍配があがるわけです。

なので、大手のような見栄えのよいイメージ重視の小冊子をつくるのはやめましょう。

読んだときに、納得、共感できる、心に響くような小冊子をつくってください。

読んだときに心に響くインパクトのある小冊子をつくるには、

会社の強みや魅力、こだわりを明らかにして、
お客の悩みを会社の強みで解決できることを訴求しましょう。

例えば、高断熱の住宅であれば、

  • 外気の影響を受けないので、エアコンが効きやすくなる
  • 電気代を安く抑えることができる

という売り文句が一般的ですが、

  • 騒音がひどくて、夜、熟睡できずに困っている
  • 音が漏れるので、ピアノの練習ができない
  • 夜遅くまで騒がしくて、子供が勉強に集中できない

といったように、見込み客の悩みを明確にして
その悩みを解決できるという見せ方をすれば、魅力的に感じますよね。

悩みから入ることで、商談になったときに話がスムーズに展開していくでしょう。

なので、商品の特長を一方的に語るのではなく、
悩みを解決できるのがウチの会社であり、商品なんですよという見せ方を考えてください。

(1)見込み客が抱えている悩みを理解する


そこで、大事になってくるのが、見込み客が抱えている悩みですよね。

見込み客が抱えている悩みを把握するには、
関連キーワード取得ツールを活用しましょう。

関連キーワード取得ツールで検索すると、
Yahoo!知恵袋や教えて!gooで、

  • どのような人が、どのようなことで悩んでいるのか
  • 悩みを解決するために、どのような解決策が提案されているのか

を調べることができます。

この調べた結果をもとにして

見込み客が抱えている悩みを
自社の強みでどう解決できるかということをまとめれば、
納得、共感してもらえる心に響く素晴らしい小冊子をつくることができます。

悩みから入っているので、小冊子を読んだ後に、

「この人なら自分の悩みを解決してくれる」
「この人なら安心して任せられる」

という視点で見てくれるので、その後の商談が進めやすくなるでしょう。

(2)小冊子が完成したら女性の視点でかならずチェックする


工務店の社長は、大抵が男性。

小冊子の執筆者も、社長もしくは男性社員が一般的なので、
小冊子が、どうしても男性目線で書かれてしまうんですね。

が、家づくりでは、夫婦で意見が合わずに
夫婦喧嘩になって話が流れるということも少なくありません。

実際、関連キーワード取得ツールで検索してみると、

「家づくり 夫婦喧嘩」
「家づくり 夫婦 意見」
「家づくり 喧嘩」
「家づくり 意見が合わない」
「家づくり 妻」
「家づくり もめる」
「新築 離婚 原因」
「家 建てる 旦那ともめる」
「インテリア 夫婦喧嘩」

などのキーワードが検索されていることがわかります。

だからこそ、女性の視点でチェックすることが大事。

原稿が出来上がったら、女性に読んでもらって、
内容について理解、納得できるかどうか検証してもらいましょう。

ステップメールで信頼関係を構築する


さて、小冊子の請求が来た後で、直後に問い合わせにつながればいいですが、
そんなにうまく話は進んでいきません。

家づくりは一生の仕事と言われているぐらいなので、誰もが慎重に考えます。

だからこそ、煽って売り込んだりせず、ザイオンス効果で知られているように、
接触回数を増やしていくことで、見込み客と信頼関係を構築していきましょう。

とは言っても、何度も直接会ってというのは非現実的な話。

こでお勧めしたいのが、ステップメールです。

ステップメールとは、あらかじめ設定した順番、タイミングで配信するメールのことで
エキスパのような配信システムが必要です。

このステップメールで、小冊子では言い足りなかったこと、
役立つ情報、価値のある情報などを配信していきましょう。

家づくりをするうえで、大事な情報を提供し続けることが大事。

なかには途中で解約する人もいますが、気にせずに配信し続けてください。

何度もメールを通じて接触回数を増やしていくことで
家づくりをするときに頼れる専門家としての地位を築くことができるでしょう。

信頼関係を構築したらイベント・見学会の案内をする


いよいよ、最終段階。イベント・見学会の案内を送りましょう。

小冊子を請求された段階では、まだ関係構築が弱いので、
案内を送ると売込みだと思われて嫌厭されてしまいますが、

この段階であれば、余程のことがない限り、
イベント・見学会の案内を送っただけで嫌われることはないので、遠慮せずに送ってください。

「参加してみようかな」
「質問してみようかな」

と好意的に受け取ってもらえるはずです。

なかには、どうしても嫌がる人もいますが、
マッチングがうまくいかなかったんだと思ってください。

むしろ、この段階で離れてもらった方がお互いにとってプラスなので、割り切って考えましょう。

なお、案内を送るときは、見落としを避けるために、紙媒体でも送ってください。

小冊子を請求してもらうためのホームページを作成する


ほとんどの工務店のホームページは、
注文してもらうことを目的にしていますが、

お客にとってそれはとてもハードルが高い過ぎるんですね。

人生において、大きな買い物なので、
売り込み型のホームページをつくっても、まず売れることはないでしょう。

なので、従来のホームページのように
注文してもらうことを目的にするのではなく、

見込み客からのアクセスを集めて、小冊子を請求してもらうことを目的にした
オウンドメディア型のホームページをつくってください。

検索されるキーワードを意識したコンテンツを掲載していくことで、アクセスを集めましょう。
そして、小冊子を請求するためのランディングページを用意してください。

島倉大輔島倉大輔

島倉大輔

経営コンサルタント。就職人気ランキングトップ企業の取締役、国立研究所の研究者の地位を捨て、失意のアルバイト生活から這い上がってきた壮絶な逆転人生。「人生、何度でもやり直せる!」と信条にコンサルティングを開始。各業界で勝ち組企業や成功者を生み出してきた。朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。

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島倉大輔

経営コンサルタント。株式会社マーキュリーコンサルティング代表取締役。就職人気ランキングトップ企業の取締役、国立研究所の研究者の地位を捨て、失意のアルバイト生活から這い上がってきた壮絶な逆転人生。「人生、何度でもやり直せる!」と信条にコンサルティングを開始。各業界で勝ち組企業や成功者を生み出してきた。朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。博士(学術)。

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