信頼関係を構築して、リピートしてもらうのが接客の本質。
しかし、お客といってもいろいろなタイプの人がいるので、
唯一の方法というのはないんですね。
たくさんの接客の仕方やスキル、テクニックがありますが、
お客のタイプに応じてうまく使い分けることが求められるわけです。
そこで、今回は、お客のタイプを9つのタイプに分類して、
どういった接客を心がけるべきか、接客のコツについて解説します。
エニアグラムによる9つの性格タイプ
エニアグラムという性格分類学を聞いたことがあるでしょうか。
日本ではいまいち認知されていないのですが、
世界ではもっとも優れた性格分類法として知られていて、
Google、Amazon、Apple、Disneyなど、世界的な企業で導入されています。
エニアグラムによるタイプ分けは驚くほど正確で、
人間関係の改善や能力開発の場面で活用されています。
エニアグラムでは、次のように9つのタイプに分類されています。
- タイプ1:完全主義者
- タイプ2:献身家
- タイプ3:達成者
- タイプ4:芸術家
- タイプ5:観察者
- タイプ6:堅実家
- タイプ7:楽天家
- タイプ8:統率者
- タイプ9:達成者
今回は、この9つの性格タイプ別に、接客の方法や注意点について解説します。
お客のタイプ別接客術
エニアグラムによる9つの性格タイプにならってお客を分類、
お客のタイプ別の接客術について解説していきます。
タイプ1:完全主義者
「こうあるべきだ」という高い理想や基準を持ち、
自分が納得するまで完璧な結果を求めようとする傾向が強く、
基本的に「◯◯すべきだ」「◯◯しなければならない」という思考を持っているのがタイプ1です。
なので、タイプ1の人は、接客に対しても高い基準を求めていると言えるでしょう。
タイプ1の人には、言葉遣いや礼儀正しさに気をつけるのは当然ですが、
もっとも気をつけるべきなのは、対応の正確性。
あいまいな返事やごまかした対応に、強く怒りを感じるので、大きなトラブルに発展するでしょう。
トラブルを回避するためにも、あいまいな表現は避けて、はっきりと伝えることを意識してください。
また、説明に対する正確性を求めているので、
メリットだけを伝えて、デメリットを言わなかった場合、
後ほど「あのときに言わなかったじゃないか!」と大きな怒りを買うことになります。
そうならないために、事前にデメリット伝えておくことが大事です。
さらに、接客時の一貫性も大事です。
説明したことが後になって違ったり、撤回することになると、
期限が悪くなったり、信頼を損ねることになるので、一貫性のある接客を心がけましょう。
タイプ1の人には、いいかげんな対応、その場しのぎの対応はご法度なので、注意してくださいね。
タイプ2:献身家
人生で大切なものは、人とのつながりだと考えていて、
誰か対しても献身的で「ありがとう」と言われる存在になろうとする人です。
優しくてアットホームな雰囲気のある人で、気持ちのつながりや親密さに価値を置いています。
なので、タイプ2の人は、感謝の気持ちを伝えることが大事です。
淡々とした口調、ロジック重視の考え方、気持ちのこもっていない対応をもっとも嫌がります。
敬語を多用して距離を置こうとせず、丁寧な口調ながらも、相手の懐に飛び込んでみる、
また、笑顔で、ゆっくりとした口調での接客が好ましいでしょう。
また、あなたとのつながりを求めているので、
接客するときは親身になって話を聞くことも大事です。
逆に言えば、プライベートなことまで話を聞くことができるので、
信頼関係を構築しやすく、適切な提案をすることができます。
はがきや手紙、電話などによる気持ちのこもったコミュニケーションをとることで
お客との信頼関係をより強いものにすることができるでしょう。
タイプ3:達成者
目標を掲げて、目標を達成するために猛烈に行動していくエネルギッシュなタイプの人。
無駄な時間や非効率なことを嫌い、合理的に物事を進めようとします。
なので、タイプ3の人は、効率性を重視した接客を心がけるべきです。
冗長で、要領の得ない説明をするのではなく、
無駄な説明は排除して、簡潔にわかりやすい説明をしてください。
当然、そうするためには事前準備をしっかりとしておくことが大事です。
裾上げや荷物の配達については、最速最短を求める傾向が強いので、
なるべく短い時間で希望が叶う方法を提示することを意識してください。
また、タイプ3の人は、結果を出すことにこだわりが強く、
周りの人から評価されることを好むので、
素晴らしい成果や有能さを褒めてあげると効果的です。
さらに、周りからの評価を気にするので、イメージアップできる提案も喜ばれるでしょう。
タイプ4:芸術家
個性的で、ユニークさを愛している人で、他の人とは違う自分らさを追求するタイプの人。
クリエーターやアーティストなど芸術的、創造的な才能に溢れていて、普通をもっとも嫌います。
なので、タイプ4の人は、個性、オリジナルを重視した接客を心がけてください。
商品などを提案するときに、普通にどこにでもある、
在り来たりのものを提案してはいけません。
他の人がもっていないもの、個性的なものに限定して、提案するようにしましょう。
提案するときは、他の人には提案していない、
他ではなかなか扱っていないということを伝えると、興味を持って話を聞いてくれます。
また、当店にとって、特別な存在であるということを
あからさまではなく、さりげなく伝えてあげると喜んでもらえるでしょう。
タイプ4の人は、こだわりが強く、他と同じであることを嫌うので、
どういったことにこだわりを持っているのかをきちんと理解してあげることが
信頼関係を構築するうえでのポイントなるので注意して接客してください。
タイプ5:観察者
自分で考えたり、調べたり、知識を得るのが好きなタイプの人。
何ごとについてもじっくりと考えてからでないと決断、行動しようとしません。
また、社会的な欲求が弱く、ヒト、モノ、カネに振り回されることを嫌っているので、
周囲とは一歩引いた状態で観察することを好みます。
なので、タイプ5の人は、急かすことなく、情報を提供すること重視してください。
とにかく時間をかけて、情報を集めて、熟考してから決断するタイプなので、
急かして購入させようとしてはいけません。
情報を求めているので、価値のある情報を提供することで、信頼関係を構築していきましょう。
逆に、タイプ5の人は、自分から情報を出すことを嫌うので、
質問をして情報を聞き出そうとするのは控えた方がよいでしょう。
自分のペースを大事にしているタイプなので、お客のペースに合わせて接客してください。
タイプ6:堅実家
何ごとにについても慎重で、挑戦すること、決断することを嫌がるタイプの人。
長いものに巻かれるのを好む、安全志向の強い人であると言ってよいでしょう。
なので、タイプ6の人は、不安感を取り除いてあげることを最優先してください。
何をするときでも、不安や心配事ばかりが思いつくので、
挑戦できなかったり、決断できないんですね。
商品を買うにも、不安材料ばかりを並べ立てる傾向があるので、
どういったことに不安を感じているのかを丁寧にヒアリングして
ひとつずつ不安を解消していきましょう。
また、連絡がないと不安に感じるので、マメに連絡をとることで、不安感を解消してください。
契約した内容について変更があると強い不安を感じるので、
事前にしっかりとした説明をすることが大切です。
タイプ7:楽天家
前向きで陽気な性格、ユーモアがあって周りの人を楽しませる明るいタイプの人。
好奇心旺盛で、ワクワク、ポジティブでありたいと思っている人が多く、
例えば、明石家さんま、高田純次、所ジョージのようなイメージで捉えてください。
なので、タイプ7の人は、基本的に明るく対応するだけでよいでしょう。
楽しいことが大好きで、楽観的な性格なので、暗い態度は厳禁。
「最近、景気が悪いですね」「◯◯ということがあって心配になりますね」
といった話は、雑談であっても嫌がるので注意してください。
基本的に、楽しい人なので、肩肘張らずにリラックスして対応するとよいでしょう。
雑談のなかでも、「◯◯様とお話していると、いつも楽しくなります」と
ひと言添えるだけで、とても喜んでくれて、スムーズに関係を構築することができます。
タイプ7の人は、前向きで、楽しいことが大好きなので、
お客が経験したことのないワクワクするような提案を心がけてください。
タイプ8:統率者
細かいことは気にせず、即断即決。はっきりと自分の意見を言う親分肌タイプの人。
自分の考え方がしっかりしていて、他の人からコントロールされることを嫌がります。
なので、タイプ8の人は、お客の意見や考え方を尊重した接客を心がけてください。
間違っても、こちらの意見や考え方を押し付けてはいけません。
タイプ8の人は、自分の意見や意志を持っているので、衝突することになってしまいます。
接客では、お客の意見や考え方を否定してはいけません。
タイプ8の人の接客では、お客の話を全部受け止めることが大事です。
まずは全部受け止めて、肯定してあげることで、信頼関係を構築することができます。
タイプ9:調停者
癒し系と言われているような人のことで、急激な変化を避けて、平穏に過ごしたいと思っている人。
争うことが嫌いで、自己主張をしないという特徴があります。
なので、タイプ9の人は、ゆっくりと関係を構築していくことが大事です。
自分からは主張しようとしないので、ニーズがつかみづらく、
争うことが嫌いなので、強引に話を進めると、嫌われてしまうので、
時間をかけて関係を構築していくことを第一に考えてください。
ゆっくりと関係を構築しながら、質問をしていきながら、
どのようなことをのぞんでいるのかを聞いていくとよいでしょう。
間違っても、攻め立てるようなことはしないように注意してください。
まとめ
エニアグラムを用いたお客のタイプ別の接客術について解説しました。
あらゆるお客に使える万能で効果的な接客というものはありません。
お客のタイプを分析して、適した接客手法を選択することが大事です。
なので、ご紹介した9つの性格タイプを完璧に理解して、
目の前にいるお客がどのタイプなのかを分析して、対応できるようにしましょう。
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