DHMO(Dihydrogen Monoxide:ジヒドロゲンモノオキシド)
という危険な液体をご存知ですか?
日本語で言うと、一酸化二水素と言われている液体ですが、
工業用の溶媒や冷媒、原子力発電所、防火剤、防虫剤の散布などに使われていて、
実は、わたしたちが食べている食品への添加、
さらにはジャンクフードやペットフードにも使われている、馴染みのある液体です。
しかし、使用方法を間違えると、我々に害を及ぼす危険性がある液体なんですね。
DHMOの危険性?
我々の周りにある慣れ親しんだ液体であるDHMOですが、こんなにも危険性があります。
例えば、
- 酸性雨の主成分になっている
- 重篤なやけどの原因になる
- 腐食を進行させて、錆びつかせる
- 電気事故の原因となり、自動車のブレーキ効果を低下させる
- 末期がん患者の悪性腫瘍から検出される
- 大量に吸引すると死亡することがある
これを見ると、いかにも危険な印象がありますよね!?
しかし、DHMOはを元素記号で表すとH2O。つまり、ただの「水」なんです。
「騙したな!(怒)」と思われるかもしれませんが、嘘はひとつも言っていません。
雨の主成分は水なので、酸性雨の主成分という表現は間違っていません。
熱湯はやけどを引き起こすし、錆びつかせたり、電気系統の故障も水が原因ですよね。
悪性腫瘍からも水は検出されるし、大量に水を飲めば溺死することもあります。
なので、ひとつも嘘は言っていないんです。
実は、1990年にアメリカがで流行ったジョークで、
その後、1997年にアイダホ州の中学生が
「人間はいかに騙されやすいのか?」
という調査で使用されて話題になりました。
少年は、ただの水をDHMOという名称に言い換えて、さらに危険性をにおわすために、
先ほどのようなネガティブな情報を加えてアンケートを行いました。
すると、50人中43人はDHMOを規制することに賛成だと答えたんですね。
ただの水ですよ!?規制もなにもないですよね。その辺にいくらでもあるのですから。
なのに、言い方や説明の仕方を変えるだけで、
ただの水に対して規制をしなければという人が現れたわけです。
犯罪者の98%はパンを食べている?
先ほどのDHMOと似たような話に、パンの危険性についての話があります。
- 犯罪者の98%はパンを食べている
- 凶悪犯罪の90%は、パンを食べてから24時間以内に起きている
- 新生児にパンを与えると、のどをつまらせて苦しがる
- パンを日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下である
これも、DHMOのようにまったく嘘は言っていません。
特別にパンを食べさせたからこうなった、のではなく、
パンが主食のアメリカであれば当たり前の話です。
パンを米に変えれば、普通の話だということがわかりますよね。
なのに、ネガティブな部分を抜粋して強調することで、
いかにもパンは危ない食べ物だと印象を与えることができるわけですね。
要は、表現の仕方でいかようにも印象付けることができるということです。
まとめ
さて、先ほどの水やパンについては、ネガティブな部分を強調することで
相手に対して水やパンに対して悪い印象を与えることができたわけです。
逆に、ポジティブな部分だけを抜粋して、強調したらどうでしょうか。
価値のない商品でも、価値のある素晴らしい商品のように見せることができるんですね。
価値のないものを実態以上に見せるのは詐欺なので、絶対にやってはいけません。
しかし、実際のビジネスでは、価値のある商品を、
実態以下でしかアピールできていないケースがほとんどです。
なので、こういったポジティブな部分を抜き出して、強調するというのは、
セールスやコピーライティングで参考になるのではないでしょうか。
商品の価値を伝えるために、こういった言葉のマジックを正しく活用しましょう。
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