起業を成功に導くために必要なマインドについてお話します。
他責ではなく自責で考える
起業してすぐにはうまくいきません。売上があがっても苦境に陥ることも多々あるでしょう。そういったときに、自分の責任で考えるかがすごく大事です。政府が悪い、景気が悪い、社員が使えないといって、うまくいかない理由を他に求める人はうまくいきません。起業した後に起きるすべてのことを、他責ではなく自責で考えることが大事です。
会社員であれば、会社や上司、取引先のせいにして責任を回避しても、同情してくれる人はいるでしょう。居酒屋に行けば、会社や上司の悪口を酒の肴にして盛り上がっている人がたくさんいます。しかし、起業した後でいくら愚痴を言おうが、文句を言おうが、誰も聞いてくれません。むしろ、そんなことばかり言っていたら周りの人は離れていきます。
起業家と会社員はまったくの別物です。起業したら全部を自分の責任で考えられない人は、精神的に追い込まれてメンタル崩壊する可能性が高いので注意してください。
即断即決、即行動!
起業したら毎日あらゆることで決断を迫られますが、ビジネスがうまくいかない人は決断から逃げようとします。言い訳をして決断することを避けるのですが、そういった人は起業に向いていないので諦めてください。
ビジネスは、即断即決、即行動が基本です。悩んでいたら大きなチャンスを逃します。悩んでいるということは失敗したときのことを考えているのだと思いますが、致命的な失敗でなければ気にする必要はありません。失敗は「実験」か「学習」であると捉えてください。要は、成功を彩るひとつのイベントにしかすぎないわけです。なので、「やるかやらないか」ではなく、「やるか今すぐにやるか」で判断しましょう。
成功本に感化されない
世の中には、成功本が溢れていていますが、そういった他人の成功の自慢話に感化されて、冷静さを失うのはとても危険です。そもそも成功本の内容は嘘が多いので注意してください。どんな成功者であっても、血みどろの努力をしているのですが、そういった負の情報については触れずに、いかにも自分が優秀で、スマートに成功したというストーリーで書かれているものがほとんどです。そういった成功本に感化されて起業したときに、「あれ、思っていたのと違う」という違和感に苛まれて、メンタル崩壊してしまう人が多いのが現実です。
また、他人の成功ばかり意識していると、自分はダメだと思い込んでしまって精神的に病んでしまうので注意してください。成功本には、資産10億円やら投資で100億円稼いだといった華々しい話が紹介されていますが、他人は他人、自分は自分という精神で、境界線を引くことが大事です。年収10億円稼いでいる成功者は素晴らしいですが、地方でお客さまに喜ばれるビジネスをしていて年収1000万円も素晴らしいです。自分軸をしっかりと持つようにしましょう。
撤退する勇気を持とう
経営の神様と言われている松下幸之助は「世にいう失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに原因があるように思われる。最後の最後まで諦めてはいけない」という言葉を残していますが、半分正解、半分不正解です。起業したら簡単に諦めてはいけません。成功しているすべての人が執念を燃やしてしつこく食らいついています。だから成功するわけです。
しかし、早く撤退した方がいいときがあります。例えば、自分の見栄やプライドを優先して、儲かってもいないのにずるずると事業を継続しているような場合です。そういったケースはもはや浮上することはないので、見切りを付けて撤退を決断すべきです。
撤退のタイミングが遅れてしまうと、傷口を広げるだけで再起できなくなることがあります。惰性で事業を継続するよりも、スパッとやめる決断をして再起をはかった方が結果的にうまくいくので、自分を追い込みすぎないでください。だからこそ、起業する前に相談できる人をみつけておくことが大事なわけです。
そして、自分、そして周りの人たちを不幸に巻き込まないために、起業するときにデッドラインを決めておきましょう。例えば、3年経っても年収3000万円に達しなければやめるといった「やめる基準」を決めておきましょう。松下幸之助が言うように諦めなければ成功するというのはその通りなのですが、難しいと感じたら勇気を出して撤退して、再チャレンジして成功するという道があることを覚えておいてください。結局、その事業は諦めても、起業家を諦めなければ、いつかは成功するということです。
起業しない選択肢もある
日本型雇用システムが崩壊し、45歳定年制という話がでてきているなかで、起業しなければならないと思い込んでいる人が少なくないのですが、それは間違った考え方なので気を付けてください。誰もが起業する必要はありません。
起業には向き不向きがあって万人向けではありません。会社に所属して、自分の好きなこと、やりたいことができているのであれば、それでOKです。
起業家になるということは、会社員と違ってかなりのプレッシャーがかかります。抱え込むストレスやリスクは半端なものではありません。起業に失敗して、離婚や家庭崩壊という話もあります。本来、会社員として勤めていれば、ある程度の収入を得られていたのに、それを全部失ってしまったということも珍しい話ではりません。
最近、ネットをみていると、そういった起業の負の側面を一切言わずに起業をむやみやたらに勧める無責任な講演家がいますが、騙されないでください。
無理な起業は禁物です。起業のリスクを全部理解したうえで、「生まれたからには自分は絶対にこれをやるんだ!」という確固たる信念がある人だけにお勧めします。成功本や自己啓発で感化されて、安易に起業してはいけません。有名な全国フランチャイズの説明会に参加し、その場の勢いで加盟して、儲かることもなく長時間労働を強いられて、結局身体を壊して終わってしまったという人はかなり多いです。残念なことに、そういった負の情報がなかなか表にでてこないのですが、日々のコンサルティングではその手の相談が非常に多いのが現実です。
とは言っても、会社に依存することなく、自分で自分の道を引き開く起業はやりがいがあってとても魅力的です。あなたが起業のよい機会に恵まれることをお祈りしております。
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