こんにちは、島倉です。
昔、テレビで放送されて
大人気だったマネーの虎という番組をご存知ですか?
起業して成功したい!!
という志願者がプレゼンをして
虎と言われる先輩社長に評価、出資をしてもらう
という内容の番組でした。
当時、わたしも非常に興味があって
番組を見ていましたが、
気になる志願者がたくさんいました。
なかでも、気になっていたのがチャンコ増田氏。
彼が何をプレゼンしたのかというと、抱き枕!
「誰も作ったことがない抱き枕を作りたい!」
ということで、
アニメのキャラクターや
アイドルの等身大の抱き枕をつくりたいという想いを
虎たちに熱心に語りましたが、
虎にはまったく伝わらずに撃沈。
挙句の果てには、オタクであることや
容姿について批判されるさんざんな結果に。
「オタクとは付き合いたくもない!」
「抱き枕なんて気持ち悪い!」
というように、言われたい放題でした。。
が!!!
現在はどうでしょうか?
けちょんけちょんに批判されて
気持ち悪がられていた抱き枕ですが
現在はひとつの市場が形成されるぐらいに
メジャーな売れる商品になっています。
拡大する抱き枕市場
当時、チャンコ増田氏のプレゼンを見て
え!?これは売れるんじゃないの!?
わたしは思いました。
というのも、90年代にアニメが黄金時代迎えて
確立されたオタク文化をネットがさらに加速させている
という風に見ていたので
わたし自身、抱き枕には興味はありませんでしたが、
絶対にこれは売れる、と思いました。
しかし、番組では、
加藤(美空ひばりの息子)「オタクでナンボだよね」
川原(なんでんかんでん社長)「ちょっと抱かせてよ」
高橋(ソフトオンデマンド社長)「経営者はオタクに偏見を持たない」
堀之内(生活創庫社長)「オタクとは付き合いもしたくない!」
小林(謙虚ライオン)「この時間はなんだったんですかね?ふざけんな馬鹿野郎って言いますわ!」
堀之内、小林両氏は全力で否定。
川原社長、加藤社長は興味を持って
聞いていましたが、マネーは成立しませんでした。
虎のほとんどが、飲食や店舗ビジネスという
王道のようなビジネスをされている人だったので
抱き枕というオタク商品については
理解がなかったのかな、という感じでしたね。
が、番組でチャンコ増田氏がプレゼンして
約4年後ぐらいから急速に抱き枕に火がついて
現在、オタクの間では人気商品になりました。
最近では、抱き枕に触ると
「そこはダメェ」などの声が出る「痛スポ」という抱き枕が登場。
撫でる場所によってリアクションが変わるそうで強く叩いたりするとなんと枕が怒るそうです(驚)
こういった現実を見てみると、
彼のビジネスプランが素晴らしいものだったのかが
あらためてわかりますね。
起業家として成功する要因
実際、番組のなかでチャンコ増田氏は、
次のようなことを言っていました。
どこにもない等身大の抱き枕を作りたい!
有名ゲーム誌ファミ通で働いてた経験がある。
実際にグッズを作り、3時間で200万円売った。
オタクに偏見があるかもしれないが、外人は「オタクイズビューティフル」と言っている。
コミックマーケットには、45万人も集まっている。
売れるとかじゃなくて、欲しいから作るんだ!!!
あなたはこれを見てどう思いますか?
わたしは、過去の経験からこういったことを言う人は
絶対と言えるぐらいのレベルで
起業して成功する人だと思います。
なぜかというと
グッズ販売の実績がある。
見込み客が抱える悩みを捉えている。
安定した市場がある。
欲しいから作るというアツい想いがある。
からです。
グッズ販売の実績がある
チャンコ増田氏は
オタク業界の経験が豊富で、
過去に実際にグッズをつくって販売。
たったの3時間で200万円を売るという
文句のつけようのない実績をだしています。
業界での経験と過去の実績を通じて
抱き枕はイケると考えたわけです。
まさに、これはテストマーケティングに成功したと言えるので
もう少し投資を検討してもよかったのではないかな、と思いますが。。
番組のなかでは、志願者に対して
過去の実績を問うことがよくありましたが、
彼の場合は、圧倒的な実績があったにも関わらず
マネー不成立でフィニッシュでした。
恐らく、オタクへの偏見、そして
抱き枕という商品の希有性が
評価につながらなかったのではないかと思います。
が、実績は十分だと言えるでしょう。
見込み客が抱える悩みを捉えている
ビジネスにおいて
見込み客が抱えている問題や悩みを
いかに捉えられるかは
勝敗を決める決定的なポイントである
と言ってよいでしょう。
では、抱き枕の場合はどうかというと、
当時、オタクというのは男性中心で、
女性とのコミュニケーションが苦手で
基本的に彼女がいないというのが定番でした。
なので、
彼女ができないという深刻な悩みがある
↓
コミュ障なので生身の人間は無理
↓
何か代替手段はないか?
↓
等身大の抱き枕であれば、コミュ障でもイケる!
ということで、
オタクが抱える悩みを解決する手段として
見事に抱き枕がマッチしたわけです。
生身の人間の代わりに抱き枕?
と思う人もいると思いますが
その辺りの感覚については
オタクでなければわからないのかと思います。
なので、虎のなかにオタクを理解できても
本物のオタクがいなかったのがマネー不成立の
ひとつの要因になったのではないかと思います。
安定した市場がある
90年代にアニメ&声優ブームが起きて
オタクという言葉が広がりました。
そして、さらにネットが普及しだしてからは
さらにオタクが文化へと昇華したというのが
当時の状況だったのかなと思います。
そして、オタクマーケットの象徴とも言える
コミックマーケットの参加者は年々増え続けて
最近では、約60万人近くの人が参加する
安定した市場が形成されています。
たったの60万人なのか?
と思うかもしれませんが、
あくまでもこれはコミックマーケットに参加した人数であって
経済的、地理的な事情で参加できない人も数多くいます。
また、高額であってもグッズを購入する
という独特の消費性向を考えても、
約60万人というのはかなりの大きな
市場であると言えるでしょう。
欲しいから作るというアツい想いがある
番組のなかで、
「誰も作ったことがない抱き枕を作りたい!」
「抱き枕は男のロマンだ!」
とマネーの虎たちにアツく語って
気持ち悪がられたチャンコ増田氏ですが、
虎たちに質問されたときに
「なんで作りたいって、欲しいから作りたいんですよ!」
「同じ想いを持った仲間たちのためにも抱き枕を作りたい!!」
と言っていました。
そう、チャンコ増田氏は販売者でありながらも、
オタクである彼自身が実は自分の商品の本当意味での
見込み客であったんです。
なので、オタクが心の底から求めているものを
理解していたのでしょう。
自分が本当に欲しいからつくる。
同じオタクの仲間も自分と同じ思いだ。
ということで、欲しいものを作りたい!!!
という気持ちを訴えたのだとおもいます。
実は、これこそが起業で成功するために重要なんですよね。
起業=金持ちになりたい、という人が増えていますが、
金持ちになりたい、自分だけ稼げればそれでいい、という気持ちで
起業して、本当にうまくいくでしょうか。
例えば、マネーの虎の志願者を振り返ってみても
金持ちになりたいという人はことごとく失敗していました。
ロコロール:起業理由は金も家です⇒多店舗展開に失敗、閉店。
フランスロール:そちら側に座りたい⇒脱税、逮捕。
また、虎のなかでも
堀之内社長:儲かればなんでもいい⇒倒産
安田社長:人よりもいい生活がしたい⇒自己破産
しかし、成功している人たちを見ていると
パスタレストラン:お客様の笑顔のために⇒複数の店舗を展開
家具屋:子供達に安全な家具を提供したい⇒ネットショップで拡販に成功
といった感じで、金持ちになるという欲望よりも、
お客の役に立ちたいという気持ちが
勝っているように思います。
起業する理由のなかには、
金持ちになりたいとか、人よりもいい生活がしたいというのがあるのは
自然なことで、全否定する気はまったくありません。
が、あまりにもそれを優先すぎると
ビジネスの基本である、
見込み客が抱えている問題や悩みを解決する
見込み客が叶えたいと思っている願望を叶えてあげる
ために商品やサービスがある、ということを
忘れてしまうだと思います。
結果、想いが消えて、金、かね、カネ。。というように
思考がお金だけに支配されて、見込み客が見えなくなる
のかもしれませんね。
なので、話を戻しますが、
チャンコ増田氏のアツい想いというのは、
ビジネスを成功させるうえでとても大事です。
ビジネスは、お客がって成り立つものなので。
以上、起業家として成功する要素について
番組に出演されたチャンコ増田氏を事例にして検証しました。
勘違いをしてもらいたくないのですが、
記事を読んでいると、マネーの虎たちが
間違っていたかのように思うかもしれませんが、
当日、オタクに対する社会的な見方、偏見を考えれば
虎たちの下した評価は妥当であると思います。
要は、マネーの成立や不成立なんて関係ないんですよね。
番組の志願者もそうですが、
一般にビジネスをされている方でも
儲かった後に、倒産や自己破産、逮捕されている人もいれば、
まったく儲からなくても、幸せに過ごしている人もいます。
つまり、ビジネスの成功は、
稼ぐことも大事ですが、
それ以上に、自分の好きなことをやれる。
好きなことで、お客の悩みを解決できる。
ことなのではないかと思います。
好きなことやって、お客から評価されれば
継続してやり続けることができますよね。
ビジネスは、一発打ち上げて終わる打ち上げ花火ではなく、継続、発展。
長く続けて、少しずつでもいいので発展していく。
つまり、長期にわたってお客の悩みを解決するために
活動し続けられることが、起業家の幸せなのではないかと思います。
そう考えると、チャンコ増田氏の
抱き枕に対する情熱や姿勢からは、学ぶべきものが多いですね。
現在、彼はまだ抱き枕ビジネスに関わっているようで、
今後の活躍が楽しみでもあります。
好きなことで、お客の役に立つ。
そして、それを継続できることが
起業家にとっての最高の幸せであるということ胸に
今日も頑張っていきましょう!!
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