最高に結果の出る組織。
それは、社長が細かい指示や命令をしなくても、
社員が自発的に行動して、問題解決する「自律的な組織」のこと。
要は、社長が現場にでなくても回る組織です。
では、どうやってそういった組織をつくれるかということですが、
ほとんどの社長が忘れている決定的な要素があるんですね。
そこで今回は、パナソニック創業者である
松下幸之助氏のエピソードを交えながら解説します。
松下幸之助氏が嫌々仕事をしている社員にかけた言葉
パナソニックの工場で
電球を布で磨くという仕事に従事していたある社員が、
いかにもつまらなそうに電球を磨いていました。
松下氏はそんな社員を見て
「キミはエエ仕事をしているな~」
と話しかけたそうです。
当然、話かけられた社員は
「電球を磨く仕事のどこがいい仕事なんだ!?」
「電球磨きなんて誰でもできる単純作業だろ!」
と思ったそうですが、さらに松下氏はその社員に次のように語りかけました。
この電球はどこで光っているか知っているか?あんたが磨いたその電球で町の街灯に明かりがつく。
その街灯のおかげでどうしても夜遅くに駅から家に帰らなあかん女の人、
いつも怖い思いをして帰っていた女の人が安心して家に帰ることができる。子どもたちが絵本を読んでいると、
外が暗くなって、家の中はもっと暗くなる。そうなれば、絵本を読むのを途中でやめなあかん。
でもな、あんたが磨いている電球1個あるだけで、
子どもたちは絵本を読むことを続けることができるんや。あんたは電球を磨いているんやないで。
子どもたちの夢を磨いているんや。
子どもたちの笑い声が聞こえてこんか?物作りはな、物を作ってはあかん。
物の先にある笑顔を想像できんかったら、物を作ったらあかんのやで。
子どもたちの夢のために、日本中、世界中にこの電球をともそうや。
と語りかけました。
すると、先ほどの社員は、電球を磨くという仕事に対して
誇りをもって取り組むようになり、仕事への姿勢が変わりました。
社長は「何のための仕事なのか」を社員に語るべきだ!
松下氏のエピソードから言えることは、
「何のために仕事をしているのか」
を理解することが極めて大事だということです。
ただ電球を磨くということではなく、
電球を磨くことが子供たちの笑顔や夢につながることを理解できれば
仕事に対する取り組み方、意識がまったく変わってくるということです。
ほとんどの人は、目先の電球を磨くことだけに焦点を当てています。
だから、仕事がおもしくない、やりがいを感じないと思ってしまう。
しかし、自分の仕事がどういった意味があるのか、
自分の仕事がどういった未来を作り出すことに貢献しているのか
が理解できれば、自然とやる気もでてくるわけです。
だからこそ、社長は、社員に対して
「何のための仕事なのか」
ということを語ってください。
仕事の意味づけをきちんとしてあげることが
自律的な組織をつくる最初の一歩になります。
自分のためだけにビジネスをしても長くは続かない
もちろん、社員だけでなく、社長自身にも当てはまることです。
生活するため、お金を稼ぐためだけという
近視眼的な見方でビジネスを捉えている人は
ビジネスをしていることが苦痛で仕方ないでしょう。
そして、次第にやる気を失って
最後には投げ出してしまうことになります。
「何のためにこのビジネスをしているのか」
ということを強く意識することが大事。
自分のためだけでなく、
他人のためにという利他の精神を持つことで
腹の底からやる気や勇気が沸いてくるはずです。
本来、ビジネスとは他人の悩みや問題を解決することなので
やる気やモチベーションがあがらない、
ビジネスに興味がなくなってきているのであれば
原点に立ち戻って自分のビジネスについて捉えなおしてみてください。
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