新型コロナによる令和大恐慌からV字回復するための処方箋

ビジネス

財務省が発表した2020年1~3月期の法人企業統計は
金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比で32%減。

新型コロナウィルス拡散による、休業要請、外出自粛で
全業種の企業が大きく経常利益を落とす結果になりました。

また、朝日新聞の報道によれば、
特定警戒地域の13都道府県の主な自治体では、生活保護申請件数が前年と比べて3割増。

東京23区に限ると増加率は4割に達するそうです。

仕事を失い、家賃が払えずに困っている人を対象にした
住居確保給付金の申請も急増、生活保護申請予備軍も増えている状況です。

現在、日本経済は昭和恐慌レベルの大恐慌に陥っている


そもそも、日本経済は昨年2019年10月に行った消費増税で弱体化していました。

2019年10月~12月期のGDPは、マイナス7・1%を記録。

そして、新型コロナが発生し、外出自粛措置がとられた
2020年1~3月期のGDPはマイナス3・4%に。

新型コロナの拡散防止をするために4月に緊急事態宣言が発令されましたが、

休業要請、営業自粛の影響で、民間調査会社やエコノミストの予想では、
2020年4~6月期のGDPはマイナス20%に達するとされており、

年率換算で2020年はGDPがマイナス30~40%になると考えられます。

現在、日本経済は昭和恐慌レベルの大恐慌に陥っていると言えるでしょう。

第一次補正予算と第二次補正予算の真水はたったの35兆円!?


政府は、新型コロナによる令和恐慌から脱却するために、大型の補正予算を組みました。

2020年6月1日現在では、

第一次補正予算として約100兆円。
第二次補正予算として約100兆円。

事業規模として合計約200兆円もの補正予算が編成されました。

安倍総理は、「空前絶後」「世界最大規模」の経済対策であると自負していますが、
残念なことに、補正予算200兆円は完全に粉飾経済対策です。

世界のなかでも日本だけが事業規模という言葉を使っているのですが、
大事なのは事業規模ではなく、直接、国民や企業に届く真水の経済対策。

実際に補正予算の中身をみてみると

第一次補正予算の真水は25兆円。
第二次補正予算の真水は32兆円。

なので、事業規模200兆円というと聞こえはいいですが、
内容はたったの57兆円にしかなりません。

しかも、第二次補正予算の真水の経済対策の中身をみてみると、

純粋は経済対策(持続化給付金の拡充等)は10兆円。
予備費として10兆円。民間融資として12兆円という内容です。

予備費10兆円は、文字通り予備であって、使われない可能性があります。

そして、民間融資についてもいずれ返してもらうものなので、
実は、第二次補正予算の真水は10兆円にまで縮小する恐れがあるんです。

つまり、第一次補正予算と第二次補正予算の真水の合計は
57兆円からさらに減って、たったの35兆円にしかなりません。

日本のGDPは500兆円。
少なくとも真水で2割=100兆円の経済対策が必要ですが、

残念なことに1割=50兆円にも届かない内容です。

当然、このレベルの経済対策ではまったく足りません。

本格的に経済を復活させるのであれば、
落ち込んだGDP分、30%=150兆円の真水の経済対策が絶対に必要です。

政府は、第二次補正予算成立後、ただちに第三次、第四次補正予算を組むべきです。

先進国の自国建て国債のデフォルトは起きない


真水で150兆円の経済対策が必要だという話をすると
財源はどうするんだということを言う人がいますが、

それは簡単な話で、国債を刷りまくればいい。

そんなことをして、大丈夫か!?
国債がデフォルトしないかと心配するかもしれませんが、

財務省のサイトにも明確に書いてあるように、
先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは起きません。

だからこそ、今すぐ国債を大量に刷りまくるべきです。

倒産1万件以上、休業・廃業3万件以上、失業者300万人以上
という絶望的な試算もあるなかで、躊躇している暇はありません。

企業が倒産すれば失業者が増える。失業者が増えれば経済が悪くなる。
経済が悪くなれば賃金がさがり、さらに失業者が増えていく。

手をこまねいてみていれば、行き着く先は大量倒産、大量自殺の地獄絵図です。

緊縮財政といった馬鹿な考え方は捨てて、今すぐに財政出動すべきです。

平成元年から続けている緊縮財政を今すぐにやめろ!


そもそも、日本は平成になってから緊縮財政を続けてきました。

1989年(平成元年)竹下内閣が消費税3%を創設。
1997年 橋本内閣が消費税を3%から5%に増税。
2014年 安倍内閣が消費税を5%から8%に増税。

そして2019年に安倍内閣が消費税を8%から10%に増税しました。

途中、自公政権から民主党政権に政権交代しましたが、
民主党政権でも、無駄撲滅ということで事業仕分けや公共事業の削減をしました。

結局、平成になってから日本は30年間緊縮財政をとってきたわけです。

緊縮財政をして経済がよくなるわけがありません。

途中で放棄されたアベノミクスを最後までやる抜くべきだ!


安倍政権は、日本経済復興を実現するために
三本の矢を柱とするアベノミクスを提唱しました。

第一の矢は、金融緩和。
第二の矢は、財政出動。
第三の矢は、成長戦略。

第一の矢である金融緩和は実行されて、株価が復活を遂げました。
が、第二の矢である財政出動が実行されたのは初年度だけで、

その後、消費増税を行って経済を破壊してしました。

結局、財政出動から緊縮財政に戻ってしまったわけです。

野党議員は、アベノミクスは効果がなかったと言っていますが、
効果がなかったのではなく、途中でやめたというのが真実です。

日本は、長期に渡って緊縮財政をしたせいで
デフレ経済から抜け出せませんでした。

だから、今こそ、財政出動をする。減税をする。国債を刷りまくるべきです。

そんなことをしたらインフレになるという声もありますが、
長期間、デフレ状態で、さらに新型コロナによってデフレが加速しているので、

まったく心配する必要はありません。

新型コロナ終息後にV字回復するのであれば、財政出動、減税をやるべきで、
消費に対して罰を与える効果のある消費税は今すぐに撤廃すべきです。

島倉大輔島倉大輔

島倉大輔

経営コンサルタント。就職人気ランキングトップ企業の取締役、国立研究所の研究者の地位を捨て、失意のアルバイト生活から這い上がってきた壮絶な逆転人生。「人生、何度でもやり直せる!」と信条にコンサルティングを開始。各業界で勝ち組企業や成功者を生み出してきた。朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。

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島倉大輔

経営コンサルタント。株式会社マーキュリーコンサルティング代表取締役。就職人気ランキングトップ企業の取締役、国立研究所の研究者の地位を捨て、失意のアルバイト生活から這い上がってきた壮絶な逆転人生。「人生、何度でもやり直せる!」と信条にコンサルティングを開始。各業界で勝ち組企業や成功者を生み出してきた。朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。博士(学術)。

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