業績が伸び悩んでいる大塚家具ですが、
現社長である大塚久美子さんのお父さんである
匠大塚社長の大塚勝久さんが社長だったときに、
大塚家具の有明本社ショールームでソファを買いました。
座り後心地がよく、現在でも気に入って使っているのですが、
最近の大塚家具の報道を見ていて
ふと勝久元社長の商売の仕方が非常にうまかったことを思い出しました。
大塚家具でソファを買った方であればわかると思いますが、
お店のスタッフにソファを見せて欲しいと伝えると、
真っ先に案内されるのが高級ブランドのFENDIのソファなんですよね。
なんと価格はセットで300万円。
そんな高価なソファではなく、50万円ぐらいのソファを見たいのですが
店員から見るように急かされるので仕方ありません。
取りあえず、FENDIのソファについて軽く説明を受け、
座ったり、触れたりした後で、見たかった価格帯のソファを案内されました。
まったく必要としていないFENDIのソファを
わざわざ案内するのは意味がないと思いますよね!?
でも、これ、めちゃくちゃ意味があるんです。
わかっていて、スタッフにちゃんとやらせているところが
勝久元社長の凄さなんだとあらためて思いました。
大塚勝久元社長が実践している販促手法
勝久元社長時代の大塚家具がやっていた
最初に高級ソファを見せて、その後で一般的なソファを見せるというやり方は、
販促ではよくやられている手法で、見せ球と決め球というやり方なんですね。
人は、対比でしか評価を決められないので、
見せ球と決め球の2つを用意して、
見せ球で相手の関心を惹きつけておいて、
最終的に決め球の良さをアピールして買ってもらう
というやり方です。
つまり、大塚家具では、
FENDIのソファを見せることで
お客のソファへの関心を惹きつけておいて
妥当な価格帯のソファを紹介するという、
見せ球、決め球をよく理解した販促を徹底しているわけです。
見せ球と決め球の販促は
何が優れているのかというと
決め球だけを見ると高いと思える商品でも、
ぶっちぎりに高価な見せ球を見せることで、
高い商品を安くすら感じさせることができること。
見せ球であるFENDIのソファは300万円。
一方、決め球のソファは50万円。
本来、50万円はソファのなかでも高価格ですが、
FENDIのソファを見た後だと安く感じるんですね。
なので、お客もその場で本来は高くて躊躇するような
50万円のソファをサクッと買ってしまうんです。
この、見せ球と決め球をよく理解して、売り場をつくっていたのが勝久元社長なんですね。
こういった基本を徹底したからこそ、
たったの一代で大塚家具という会社を築き上げることができたわけです。
ちなみに、大塚久美子社長はニトリやイケアといった低価格商品の品揃えに舵を切ったので、
こういった見せ球、決め球という販促、見せ方ができません。
そういったことが、販売不振の原因のひとつにもなっていると思われます。
売れなくてもいいので見せ球を用意しよう!
さて、あなたのビジネスでは、見せ球を用意しているでしょうか。
先ほど、大塚家具の販促の事例でもお話したように、
本命である決め球だけでなく、見せ球をかならず用意してください。
例えば、500円もプリン。
はっきり言って、1個500円はいくらなんでも高すぎる。
でも、見せ球である5000円のプリンを用意したらどうでしょうか。
なんだか500円が安く感じますよね!?
実際、5000円の見せ球を用意したことで、500円のプリンが爆発的に売れました。
要は、価格に絶対はないということなんですね。
状況によって、高く感じることもあれば、安く感じることもある。
だからこそ、見せ球を用意すべきです。
もちろん、見せ球は売れなくて構いません。
あくまでも決め球を売りやすくするためだからです。
とは言っても、たまに見せ球も売れてしまうんですよね。
先ほどの5000円のプリンもそこそこでているそうで、店主も若干、困惑気味でした(笑)
もしあなたが本命の商品が売れないと悩んでいるのであれば、
ぜひ、見せ球を用意することをお勧めします。
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