人生100年時代。
自己実現、そして食べていくために、定年後に起業する人が増えている。
定年した人たちに人気なのが飲食業。特になかでもカフェを選ぶ人が多い。
- お客さんと話をしながらコーヒーやドリンクを提供する。
- オーナーやバリスタと呼ばれることにステータスを感じる。
- 自分のペースで緩やかに仕事ができる。
などの理由で選ばれているが、現実はそう甘くはない。
実は、飲食業はだいたい2年で半数が倒産廃業している。
多産多死のビジネスで、起業後の生存率が極めて低い。
では、なぜそこまで生存率が低いのだろうか。
自分のこだわりや理想を追求し過ぎている
ひとつは、自分のこだわりや理想を追求し過ぎているからだ。
趣味でカフェをやるのは別として、基本的にカフェはビジネスだ。
売上があげられなければ倒産廃業に追い込まれる。
売上の方程式は、売上=客単価×客数。
が、自分の理想を思い求める人は、売上の方程式を無視した経営をしてしまう。
例えば、希少性の高いコーヒー豆にこだわる人。
コピ・ルアクというコーヒー豆をご存知だろうか。
コピ・ルアクは、ジャコウネコにコーヒー豆を食べさせて発酵した糞から取り出した豆で、
生産量が限定されるので、100g4000~6000円という高値で取引されている。
こういった豆を使えば確かに客単価はあがる。
が、注文する人が少ないので客数が伸びない。
結果、売上があがらずに終わることになる。
売上をあげるには、売上の方程式通りに、
客単価だけでなく、客数を同時に増やしていくことが大事。
ブルーマウンテンのような原価の低いコーヒーを大量に販売する。
そして、コーヒーやドリンクにフードやスイーツを組み合わせることで、
客単価をあげていくことが必要だ。
FLRコストを無視している
もうひとつは、FLRコストを考えていないことだ。
FLR比率とは、
F:フードコスト(原材料費)
L:レイバーコスト(人件費)
R:レンタルコスト(家賃)
を売上高で割った比率のこと。
FLで50~60パーセント。
Rで20パーセントが理想だ。
例えば、F30パーセント、L20パーセント、R20パーセントで
合計70パーセントであれば合格点と言える。
できれば、全体で65パーセントになればさらによい。
逆に、80パーセントを超えるようであれば、
経営コストがかかり過ぎなので早急な対策が必要だ。
理想のFLR比率にするためにやるべきこと
かけるべきところにコストをかけることは必要だが、
無駄なコストは徹底して排除すべきだ。
フードコストの対策
仕入れ先と付き合いが長くなると、他の仕入れ先に目が向かなくなる。
もっと安い仕入れ先はないか、無駄に仕入れていないかなどを
定期的にチェックすることが必要だ。
また、ゆで卵のように、原価が安く、
サンドイッチやタルタルソースのように
使い回しが効く食材を活用することが必須と言える。
レイバーコストの対策
店舗スタッフ数の適正化、客数が少ない谷間の時間など
全体的なスタッフの配置を見直すことが大事。
また、家族に協力してもらうことで人件費を押させることも必要だ。
レンタルコストの対策
家賃は固定費になるので、なるべく抑える。
借りる場合はかならず家賃交渉をしよう。
また、出店先は、大手チェーン店や競合で溢れている
駅前の一等地や幹線道路は避けて、二等地や生活道路での出店を考えるべきだ。
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