起業してから1年以内に絶対にやるべきこと

ビジネス

起業した直後から売上が伸び続けて、飛躍的な成長を遂げる。

というのは理想ですが、実際はそういった会社はほとんどありません。

起業しても、なかなか売上があげられずに、そのうち創業メンバーで仲間割れや裏切りが起きて分裂。

最終的には、起業して1年以内、または3年ぐらいで
会社を閉めることになるというパターンがほとんどです。

つまり、ゼロから起業するというのはとても難しいことなんですね。

実際、起業して1年以内に4割、5年以内に6割ほどが消えているわけですから、
起業してから生き残っているだけでも素晴らしいと言えるでしょう。

自分で、自分を褒めてあげてください。

さて、話を戻しますが、起業して成功するというのはそれほど難しいことですが、
全国のあらゆる業種業態の会社をコンサルティングしてきた経験で言えることは、

「起業したらいかに最短で稼げるようになるか」

が、起業して成功する決定的なポイントになるということです。

起業して、鳴かず飛ばずの状態が続くと、精神的にも疲れ果て、仲間も離れていきます。
場合によっては、家族からも見放されることになるでしょう。

起業したら1年以内に稼げるようにならなければ、
成長軌道に載せていくのは相当難しいというのが実感です。

飛行機は、離陸するに、加速が必要ですよね。

緩やかにスタートしても、飛行機は飛び立つことはできません。
最初からアクセルを踏み込んで加速をつけることが大事です。

ビジネスもまったく同じで、加速をつけなければ、ランディングできないんですね。

つまり、起業した直後がもっとも大事だということです。

では、ビジネスを成長軌道に乗せていくために、
起業した直後に何をやるべきなのかということについて解説します。

起業して失敗する人は、起業直後でやるべきことを間違えているので、
起業を考えている方や起業したて間もない方はかならず理解しておいてください。

起業して立ち上げに成功した事例

起業した直後に何をやるべきなのかを、具体的にお話する前に、二人の経営者の事例を紹介します。

まず、最初の経営者の事例を見てください。

大学4年になり、就職活動を開始。大手企業に行くつもりはまったくなく、ベンチャー企業に絞って会社を探しました。その活動の中で出合った会社への就職を決断したのです。入社した私は、希望通り採用コンサルティング部門に配属されます。始発で会社に来て、始業時間が始まる頃には営業に出かけ、夜は終電ぎりぎりまで仕事。土日などの休日も当然出社。ゴールデンウィーク、夏休みもとらず、1日も休むことなく私は働き続けました。結果、1年目にして自分ひとりで稼いだ粗利益額は5,000万円です。

そして入社1年目の12月、私は起業することを決意します。ちなみに、会社をつくることは決めたものの、事業内容はぎりぎりまで決まりませんでした。それでもインターネットの将来的な可能性の大きさ、そして、インターネット業界に営業がいなかったということもあり、インターネット業界の営業代行という方向性で、事業を運営していくことに決めました。

スタート時は、メンバーが私を含めて3人だけ。全員、それこそ朝から晩まで、ウェブマネーという電子マネーの取扱サイト開拓、Webサイトの制作請負など、様々なインターネット関連商品・サービスの営業代行に明け暮れました。

インターネットのマルチベンダーのままでは、将来どうなるか危うい。そう考えていた私は、この頃から自社開発の強い商品・サービスを確立しなくては、と思っていました。そんな中生まれたのが、クリック保証型のバナー広告システムです。システム開発を手がけたのは、オン・ザ・エッヂという会社でした。

そうして自社独自のサービスができ上がり、徐々に社員数も増え、売上高も増加。初年度初の決算売上高2,000万円は、翌年1999年には一気に4億5,000万円となりました。2,000万円の赤字ではありましたが、当社設立から丸2年後に東証マザーズに上場を果たしたのです。その記念すべき日は2000年3月24日、当時の私の年齢は26歳でした。

誰の事例なのか察しが付くと思いますが、答えは取りあえず置いといて、
もうひとりの経営者の事例をみてください。

事業計画書も、ねらい通りにはいかなかった。だからといって、事業計画が大失敗だったかというと、決してそうではない。計画書の中に入っていなかった仕事が、山のように転がり込んできたからだ。初年度だけで1500万円から2000万円ほどのキャッシュフローが生まれ、売上高は約3600万円に達した。つまり初年度の売り上げは、事業計画書の中で予想していた「3260万円」をはるかに超えてしまったのである。

最初の事例は、藤田晋さんが代表をしているサイバーエージェントの事例。
もうひとつは、堀江貴文さんが代表をしていたライブドアの前身であるオン・ザ・エッヂの事例。

読んでわかるように、起業した直後は

  • サイバーエージェントであれば、アメーバブログやアメーバピグといったアメーバ事業
  • オン・ザ・エッヂであれば、ポータルサイト「ライブドア」の運営

で稼いでいたわけではないことがわかります。

  • サイバーエージェントは、ウェブマネーという電子マネーの取扱サイト開拓、Webサイトの制作請負
  • オン・ザ・エッヂは、ウェブサイトの作成

で稼いでいたんですね。そして、その稼いだお金を元手に、
本命のアメーバ事業やライブドアの立ち上げを行ったわけです。

日銭を稼ぐ安定ビジネスの重要性

先ほどのサイバーエージェントとオン・ザ・エッヂの事例からわかるように、

  • 起業直後はとにかく日銭を稼げるビジネスに特化して、キャッシュを生み出すことに専念する
  • キャッシュを生み出すことが出来たら、本命のビジネスに取り組む

という2ステップを踏んでいるわけです。

実際、堀江貴文さんは、著書のなかで、

重要なのは、とにかく日銭を稼ぐモデルを確立することである。インターネットのベンチャー企業の多くが、うまく事業を離陸させることができずに失敗してしまったのは、この部分をおろそかにしたことが大きい。

そもそも最先端のビジネスモデルに賭けるというのは、かなり確率の低い賭けといえるだろう。もちろん資金が潤沢にあって、そして運が良ければ、労せずして儲けられるようになるかもしれない。その事業に賭けている起業家本人は、チャンスは十分だと考えているから実行に移しているのだろう。でもマクロ的な視点で見れば、そんな確率はかなり低い。ハイリスクなバクチのようなものだ。オン・ザ・エッヂは、そんな不毛な戦略は採らなかった。

と述べています。

そうなんです。起業直後は、安定的に稼げるビジネスに集中して
とにかく日銭を稼げるようになることが絶対に大事なんですね。

なぜなら、キャッシュがなければビジネスは終わってしまうからです。

私は、コンサルティングにおいて、ビジネスには

  • ドカンと稼げるビジネス
  • 安定的に稼げるビジネス

があって、ドカンと稼ぐビジネスに頼るのは危険なので、
安定的に稼げるビジネスをかならず持つことを勧めているのですが、

堀江さんが言っていることとまったく同じで、

「日銭を稼ぐことがいかに大事か」

ということ理解しているからなんですね。

起業したらとにかく日銭を稼ぐ、稼げるようになることを第一に考えるべきです。
そして、キャッシュが出来たら、大きく稼げる本命のビジネスに投資すればよいでしょう。

投資をしても本命のビジネスが当たるとは限りません。
ハズレる可能性も十分にあるわけですね。

だからこそ、本命のビジネスで儲かったとしても、
日銭を稼げる安定ビジネスは並行して行うべきです。

中小企業の場合、やっているビジネスが、ドカンを稼ぐビジネスの場合が多く、
大きくハズレたら一貫の終わりというパターンが結構多いです。

また、季節性の高い商品を扱っている会社も、
天候不順や生産量の低下などで危機に陥ることがあるので
季節に関係なく年間を通して安定的に稼げるビジネスを持っておくべきでしょう。

ビジネスは一発勝負ではありません。大事なのは継続。

だからこそ、起業直後は日銭を稼げる安定ビジネスに専念してください。

そして、本命のビジネスがうまくいったとしても、
安定ビジネスを並行して行うことを忘れないでください。

島倉大輔島倉大輔

島倉大輔

経営コンサルタント。就職人気ランキングトップ企業の取締役、国立研究所の研究者の地位を捨て、失意のアルバイト生活から這い上がってきた壮絶な逆転人生。「人生、何度でもやり直せる!」と信条にコンサルティングを開始。各業界で勝ち組企業や成功者を生み出してきた。朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。

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島倉大輔

経営コンサルタント。株式会社マーキュリーコンサルティング代表取締役。就職人気ランキングトップ企業の取締役、国立研究所の研究者の地位を捨て、失意のアルバイト生活から這い上がってきた壮絶な逆転人生。「人生、何度でもやり直せる!」と信条にコンサルティングを開始。各業界で勝ち組企業や成功者を生み出してきた。朝日放送『雨上がりのAさんの話』、テレビ朝日『お願い!ランキング』『やじうまテレビ!』等に出演。日経ビジネス、FLASH、アントレ、フジサンケイビジネスアイ、近代中小企業など、メディア掲載多数。また、全国の商工会や青年会議所、金融機関などで講演も行っている。著書に『大手とケンカしても負けない、経営逆転のヒントあります。』がある。博士(学術)。

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